「印刷ボタンを押したのに動かない!」
「見たことのないオレンジ色のランプが点滅している…」
急いで書類を印刷したい時に限って発生する、プリンターのトラブル。特にキヤノン(Canon)製のプリンターを使っていると、「電源ランプ(緑)」と「エラーランプ(オレンジ)」が交互に点滅したり、オレンジランプだけが特定の回数点滅したりする現象に遭遇することがあります。
実はこの「点滅」、ただの故障の合図ではありません。プリンターがあなたに必死に伝えている「モールス信号」のようなメッセージなのです。
点滅の回数を数えるだけで、単なる「紙切れ」なのか、それとも「修理が必要な重大な故障」なのかを瞬時に見分けることができます。
この記事では、キヤノンプリンターのオレンジランプ点滅回数ごとの原因と対処法を、初心者の方にもわかりやすく網羅的に解説します。メーカー修理に出す前に、まずはこのページで「自己診断」を行ってみてください。意外と簡単に直るケースも多いですよ!
【基本】まずは点滅の「パターン」を確認しよう
トラブルが発生したら、まずは深呼吸をしてプリンターのランプを観察してください。点滅には大きく分けて2つのパターンがあります。
パターンA:オレンジランプだけが点滅している
これは比較的軽微なエラーです。用紙やインクのトラブルなど、ユーザー自身で簡単に対処できる「警告」レベルのものがほとんどです。
パターンB:緑(電源)とオレンジ(エラー)が交互に点滅している
こちらは要注意です。プリンター内部の部品故障や、システムの異常を示しています。回数によっては「メーカー修理」や「買い替え」が必要になるケースもありますが、中には裏技的な方法で復活できるエラーも潜んでいます。
それでは、具体的な回数ごとの診断を見ていきましょう。
【軽度トラブル】オレンジランプのみ点滅する場合
まずは、自分でサクッと直せるケースです。焦らず対処しましょう。
2回点滅:用紙がありません
最も多いのがこれです。給紙トレイに紙が入っていないか、うまく送られていません。用紙をセットし直して、リセットボタン(またはOKボタン)を押せば解決します。
3回点滅:紙詰まり(ジャム)
紙が内部で詰まっています。無理に引っ張らず、背面カバーや前面カバーを開けて、ゆっくりと詰まった紙を取り除きましょう。破れた紙片が残っているとエラーが消えないので注意が必要です。
4回・5回・13回・16回点滅:インク関連のエラー
インクがなくなった、またはインクタンクが正しく認識されていません。「カチッ」と音がするまでインクを押し込み直すか、新しいインクに交換してください。互換インクを使っている場合、ICチップの接触不良の可能性もあります。
【重度トラブル】緑とオレンジが交互に点滅する場合
ここからが本番です。交互点滅は「サービスコールエラー」と呼ばれ、本来はプロによる修理が必要な状態を示しています。しかし、諦めるのはまだ早いです。
2回交互点滅(コード:5100):キャリッジエラー
インクを積んで左右に動く「キャリッジ」という部品が、何かに引っかかって動けなくなっています。内部に異物(クリップや紙くず)が落ちていないか確認してください。また、エンコーダーフィルムという透明なテープ状の部品が汚れている場合もこのエラーが出ます。綿棒で優しく掃除すると直ることがあります。
3回交互点滅(コード:6000):給紙メカエラー
紙を送るローラー部分の故障です。異物が挟まっていないか確認し、電源を入れ直しても直らない場合は、部品の破損や摩耗の可能性が高いです。
7回交互点滅(コード:5B00 / 5B01):廃インク吸収体満杯エラー
キヤノンプリンターユーザーを最も絶望させるのが、この「7回点滅」です。
パソコンの画面には「廃インク吸収パッドが満杯です」「修理が必要です」といったメッセージが表示され、一切の印刷・スキャンができなくなります。
これはプリンターの底にある「余分なインクを吸い取るスポンジ」が限界に達した(とシステムが判断した)状態です。通常、メーカーの修理窓口(一律修理料金:約15,000円〜)に出すか、買い替えるしか道はありません。
8回交互点滅(コード:1700 / 1701):廃インク満杯の「予兆」
これは「もうすぐ廃インクが満杯になりますよ」という警告です。まだ印刷は可能ですが、リセットボタンを押してエラーをスキップし続けると、いずれ上記の「7回点滅(5B00)」に移行して完全にロックされます。
この段階ならまだプリンターは動きます。完全に停止してしまう前に、リセットの準備をしておくのが賢明です。早めの対策が、年末の年賀状シーズンなどの繁忙期にパニックにならないための鍵です。
廃インクエラーが出る前に!リセットの準備と物理的なメンテナンス方法を確認する
10回交互点滅(コード:B200 / B203):その他ハードウェアエラー
電源を入れ直しても直らない場合、プリントヘッドやメイン基板の電圧異常など、かなり致命的な故障の可能性が高いエラーです。ヘッドを丸洗いしたり、接点を掃除したりすることで稀に復活することもありますが、多くの場合は「寿命」と判断せざるを得ません。
このエラーが出た場合は、廃インクのリセットでは直りませんので注意してください。
【共通】まずは試すべき「放電リセット」の方法
どのエラーコードが表示されている場合でも、修理や買い替えを検討する前に、一度だけ試してほしい「おまじない」があります。
それが「放電リセット(電源リセット)」です。
プリンターは精密機器であり、内部の電気的なノイズや一時的なシステムの混乱によって誤作動を起こしていることが多々あります。以下の手順で、プリンターの脳内をリフレッシュさせてみましょう。
1. プリンターの電源が入っている状態で、電源ボタンを押してオフにする。
2. コンセントから電源プラグを抜く。
3. USBケーブルやLANケーブルもすべて抜く。
4. 【重要】そのまま10分〜30分以上放置する。
5. 電源プラグだけを差し込み、電源を入れる。
これだけで、謎の点滅があっさり消えて通常通り動き出すケースは、実は全体のトラブルの2〜3割を占めるとも言われています。「壊れた!」と焦って新しいプリンターをポチる前に、必ずこの放電作業を行ってください。
まとめ:7回点滅なら「まだ戦える」チャンスあり!
キヤノンプリンターの点滅パターンと対処法について解説しました。
用紙切れやインク切れなどの単純ミスはすぐに直せますが、交互点滅系のエラーは心臓に悪いですよね。
特に「7回交互点滅(5B00)」が出た時は、「もう寿命か…」と諦めてしまいがちです。しかし、前述の通り、これは「物理的な故障」ではなく「プログラム上のロック」であることがほとんどです。
もしあなたのプリンターが、MG6000番台、MG7000番台、あるいはTS8000番台などの「名機」と呼ばれる上位モデルであれば、簡単に捨ててしまうのはあまりにも勿体無いです。今の安価なプリンターよりも、昔の機種の方が写真画質が良かったり、背面給紙が使いやすかったりすることもありますからね。
「自己責任でもいいから、なんとかして直したい!」
「あと1年、いや半年だけでいいから持たせたい!」
そんなガッツのある方は、ぜひ廃インクカウンターのリセットに挑戦してみてください。